先日、中古木造戸建住宅のインスペクションの記事をご紹介いたしましたが、今回は鉄筋コンクリート造(RC)のアパートのインスペクションです。
前回の記事はこちら→『中古木造戸建住宅のインスペクションを体験してきました!』
築37年ということで、あちこちに劣化が見られました。
今回は
・部屋(室内・室外)
・外壁
・屋上
の順でお届けいたします。
お部屋をチェック
✔︎ベランダ
「打診棒」という道具で壁をなぞり、音でコンクリート内部の「浮き」(劣化)を診断ます。
【コンクリートの「浮き」とは】
コンクリートの内部でひび割れが連続するなどして、表面付近のコンクリートが内部コンクリートと一体性を失いつつある状態のことをいいます。
↓「浮き」が認められた部分にマーク。排水管や通気口など、湿気のあるところに発生しやすいそうです。
サッシ周りの壁の亀裂をチェック。
細いコードを亀裂に差し込み、亀裂の深さを測ります。
こちらはクラックスケールで亀裂の幅を測っているところ。
✔︎室内天井
キッチンの吊り戸棚の内部に、大きなシミがありました。天井裏の通気口からの、湿気を含んだ吹き込みが原因だと考えられます。
✔︎室内天井裏(=上階の床下)
押入れ上部の天井を開けて、天井裏の状況(雨漏りの跡など)をチェック。
ここから確認した結果、やはりキッチンの吊り戸棚付近には通気口が設けられていました!
画像はありませんが、このほかにもレーザー測定器を使用して床の傾きを測ったり、建具の歪みをチェックしたりして室内は終了です。
外壁のチェック
✔︎お部屋の外壁
お風呂場の外壁に大きな亀裂。ここから水や湿気が入ると、コンクリートの劣化につながります。
玄関ドアのコーキングが劣化して、隙間ができていました。ここからもヤツ(湿気)が・・・!
✔︎階段
こちらも打診棒で劣化状況をチェック!
屋上
「鉄筋探査機」を使って、屋上の柱の鉄筋を調べているところ。機器をかざしながら柱をなぞり、配筋の場所を探ります。
鉄筋の中心に当たれば、下の画像のような表示で「ここだよ!」とお知らせくれるそうです。便利ですね。
上記の作業を繰り返し、配筋の位置をテープでマーキング。
「配筋の間隔」などをチェックします。
このような作業を各所で行い、インスペクション完了です。
今回の診断結果は、後日報告書にまとめられて送られてきます。
↓こちらは以前のインスペクションの報告書です。写真付きで報告されます。
まとめ
今回のインスペクションの費用と所要時間は以下の通りです。
【費用】費用は建物の広さによって変わりますが、今回は4階建てアパートで10万円程でした
【所要時間】3時間程度
以上、駆け足でしたが、RCアパートのインスペクションレポートでした!